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テキスタイルのクリエーションの顕彰を通して「次代のテキスタイル産業を担う人材の発掘・育成」、「テキスタイル産業における技術力、デザイン力、マーケティング力の強化」を目指しているジャパン・テキスタイル・コンテスト、その歩みは、1991年開催の「国際ファッション&テキスタイルウィーク'91―FATEX '91」に遡ります。
それから12年後の2002年、ジャパン・テキスタイル・コンテストは、装いも改め、新たなスタートをきりました。
これまでの歩みを簡単にご紹介いたします。(ご希望の年度をクリックしてください。)

 2011  2012  2013  2014 2015 2016      


  ジャパン・テキスタイル・コンテスト2016

主な受賞者

  グランプリ(経済産業大臣賞)

コンフォート・ライトヘアード・クロス

時田 久嗣 時田毛織(株)  愛知県一宮市
審査員のほぼ全員が高い評価点をはじき出し、文句の付けようのないトップ当選!のグランプリも久々でした。 そもそも、最高級の原材料を惜しげもなく使って生み出される風合いには、それなりの納得ですが、この素材はウール100%の表示! どうやら原料段階からの特殊な技術をいくつも駆使して、最高のバランス、着地点を見つけたようです。
 軽いと思うのですが、かなりきちんと落ち感(ドレープ性)もあり、薄いと感じるのですが、透けるわけでもありません。ソフトな表面は一見弱そうですが、物性的にも安定しているようです。ウール100%でここまで出来るとは。産地の今後にとって、良い刺激も期待するグランプリです。
審査員長 車 純子
素材  W=100%

  準グランプリ(中小企業庁長官賞)

WILD BEAST

伊藤 啓介 中外国島(株)  愛知県一宮市
粗野な目面でもアルパカの光沢感がこのテキスタイルにグレードを感じさせてくれています。
そして手にとってみると、思ったよりも軽くニットの様な伸縮性、ソフトで温かみを感じる風合いに仕上っています。
見た目感覚と肌感覚とのアンバランスがこの生地の魅力です。
これまでの経験に裏打ちされたクリエーション。これからも日本のモノ創りの底力を発揮して下さい。
ただアパレルとして洋服を企画する立場からすると、生地幅が110センチ以上あると使い勝手が良くデザインバリエーションが広がると思います。

審査員 萩原 富雄
素材  Ap=80%, W=18%, N=1%, Pu=1%

  新人賞

Hide and Seek


石上 雄貴 鈴憲毛織(株)  愛知県一宮市
一見するとクラシカルで優しいカラーのグレンチェックに見えるのですが、よく見ると織柄ではなく縄編み模様が見えてきます。織柄と編柄をひとつのテキスタイルの上で表現する、不可能だと思ったことをデジタルプリントという手法を使って、表現してくれました。何の違和感もなく、自然に見えるのは、考え抜かれた繊細なグラデーションだからでしょう。ふんわり羽織れるジャケットを作ったら微起毛の優しい風合いもあいまって、お気に入りの手放せない一枚になるのは間違いないでしょう。
これからも新技術を駆使した、素敵なテキスタイルのクリエーションに期待します。
審査員 中口 万寿代
素材  Pe=62%, R=33%, Pu=5%
  ※新人賞:35歳未満の製作者の作品が対象

  優秀賞

ハイカウントWフラノ
岩瀬 和治 B.Tネット(虫文毛織㈱)  愛知県一宮市
経糸にスーパー180、緯糸にスーパー140のハイカウント原料を使った二重織りフラノ。原料の良さが際立つ贅沢な一品です。上品な深みのある光沢となめらかさが高級感を醸し出しています。どっしりとした重量感を感じさせる外観ですが、手にすると思いのほか軽いのが今日的。緯糸に水溶性ビニロンを使い、ふっくらとした軽さのある肉感が生まれました。現代の服に求められる、上質と軽やかさを兼ね備えています。ドレープやつやを生かして、シンプルなコートやジャケットに理想的な素材といえるでしょう。紡績、織布、整理仕上げ、全ての技術に尾州の実力を感じました。
審査員 小森 美穂子
素材  W=100%

  優秀賞

jungle・jaguar・jaquard
岩田 善之 (株)イワゼン  岐阜県羽島市
一般的にプリント表現で見受けられるアニマルパターンをジャカードにて構成し、作者の企画意図にあるように起毛加工にてその見える方向性により柄が異なって見える工夫がされています。少し癖のあるパターンと考えられがちなアニマル柄をさりげない幾何にも見えるようなユニークな素材効果を表現しています。アニマル柄はその内容からそれが表現された服種を選択する消費者は少し限られると思われますが、このテキスタイルであれば、明確にそのモチーフ性を強調していないところからもコートなどのアイテム表現に展開しやすい優れたデザイン性を持っています。
審査員 竹内 忠男
素材  Ap=75%, W=25%

  優秀賞

survive
酒向 克昌 (株)ソトー  愛知県一宮市
オーセンテックな梳毛メンズテキスタイルの代表格であるピンチェックを2種類のドビー組織を組み合わせたピンブロックチェックは、一見無地素材に見える繊細で複雑な表情のメンズチェックに出来上がっています。
マーケットで求められる価値素材への手触りやタッチを繊細な組織及びライトウエイトでソフトなカシミアのような滑らかな風合いは、ゆっくりと時間をかけた縮絨と表面に密な毛並みを付ける事で、よりデリケートで滑らかな高級感の素材を演出しています。
メンズのオーセンテックなスーツ&コートはもちろん、ウイメンズでもマスキュリン感覚のスーツスタイルが復活する中、ダブルブレストスーツやオーバーサイズジャケット(ビッグブレザー)やワイドパンツに最適な素材と思われます。
審査員 中井 迪夫
素材  W=100%

  プレミアム賞

勝野 利行 岩田健毛織(株)  岐阜県羽島市
ヘリンボーンツイードをベースに起毛加工を施した作品です。原毛、トップの段階で繊維の太さ・細さや配色バランスなどへの配慮がうかがえます。起毛加工の渦巻きも抑制がきいています。各工程でのバランスがほどよく、さまざまなアイデアが盛り込まれながらも過剰さがありません。全体感として味わい深いところに長年のご経験を感じさせました。ニットのような軽さとバルキー感も魅力です。凝った素材ですが、服に仕立てた時に自己主張し過ぎない、しかし存在感のあるファブリックです。尾州ツイードの魅力を伝える一品といえるでしょう。
審査員 小森 美穂子
素材  W=100%

  プレミアム賞

獣絹(けものシルク)
葛谷 聰 B.Tネット(葛利毛織工業㈱)  愛知県一宮市
ネーミングの様に一見シルクとは思えない起毛素材。
そしてカシミヤ等の獣毛とは違う風合いと光沢感。
シルクでも技術、テクニックでこの様なテキスタイルが開発できるとは。
日本の技術力、開発力の奥深さを感じました。
更なる新しいテクニックへの挑戦、期待いたします
ただビジネスとして考えた場合コストが少々気になります。
審査員 萩原 富雄
素材  Si=100%

  プレミアム賞

経残白糸基調矢鱈縞縞馬柄絣調紋布
古谷 稔 兵庫県立工業技術センター  兵庫県西脇市
色の美しさ、手触りの良さ、コットンの持つさわやかな風合いをソフトな塩縮加工の梨地のテクスチャで表現している。アレンジワインダーでの矢鱈縞というランダムな色の現れ方を放し飼いにせず、白縞馬模様という一定の統一性でコントロールしながら表現している。非常に凝ったセンスの良い美的柄模様と、その手触りのよさの質的バランスがすばらしい。矢鱈模様は一定の色柄を多く提供するという意味での商品には向かないかもしれない。が、資源の有効利用、オンデマンドの少量生産、個人趣味などが重要な現代には却って魅力を放つ手法の一つであろう。作者の美的センスが光る作品である。
審査員 大関 徹
素材  C=100%

  プレミアム賞

紅葉
横山 岳史/
水谷 光孝
横貴繊維工業(株)×みづほ興業(株)  愛知県一宮市
毛足のあるモヘアタムヤーンを特殊なコーティング加工にて固定させ、この皮膜加工がされることにより独特な光沢を持たせています。また起毛素材のコーティングが水面に漂うゆらぎのような表面感を持つことになり、タイトルに表現されているような川の流れに映る紅葉を思わせながらも、川底に重なる紅葉もイメージすることが出来ます。そこに作者の豊かな感性が伺えると言って良いかも知れません。そしてこのテキスタイルの面白さはその表面からは想像できないですが、素材の手持ち感、肉感は意外に薄く軽く仕上げされていることです。
審査員 竹内 忠男
素材  R=41%, Mo=41%, N=18%

  プレミアム賞

御衣
横山 泰治 横貴繊維工業(株)  愛知県一宮市
「御衣」、こんな素敵なテキスタイルをお召しになるのはどんな高貴な方でしょう。
テキスタイルを見て驚かされるのは、モヘアの長い長い毛足と、どうしてこんな方向に毛足が流れているのかということです。まるで自然界にいる獣の毛足のようにランダムでナチュラルな毛足はどうやって加工したのでしょうか?
離れてみるとソリッドに見えますが、多色使いのトップのおかげで得られるイリデッセント効果によるカラーも魅力的です。見た目よりもとても軽いのは組織と糸使いを考え抜いた結果だと思います。寒い冬には、「御衣」につつまれてみたいと、このテキスタイルに出会った誰もが思うことでしょう。
審査員 中口 万寿代 
素材  R=41%, Mo=41%, N=18%

 審査員特別賞

シャドウ・ブロックボーダー
岩田 真幸 岩田健毛織(株)  岐阜県羽島市
美しい赤と大胆な柄に目を奪われました。経糸は昼夜組織、緯糸にモヘヤのループ糸をランダムに配し、表面に変化と表情を与えています。さらに仕上げでループをカットし起毛加工を施し、軽さとバルキー感を生み出しました。この数年アウター用途を中心に先染め柄が巨大化しており、こちらのジャイアントチェックもその潮流に合致するデザインです。赤、黒、アイボリーのシンプルな配色が明快で、上品なトラッドテイストに合いそうです。コートやケープなどの軽快なアウターに魅力的な素材です。
審査員 小森 美穂子
素材  Mo=65%, W=24%, N=11%

学生の部

  スプラウト賞(愛知県知事賞)

夜の芒野
新美 汐里 名古屋芸術大学  愛知県北名古屋市
作品名にある「夜の芒野」は、秋の夜の風景をモノクロというニュートラルカラーで表現し、柄表現としのテキスタイル構図をカラーと図柄に構成され、芒の穂が夜の光にぼんやりと光っている光景がシンプル&モダンに表現されています。
綿ポリエステルの平織り組織の素材は、オパール加工により抜けた部分は、繊細な透け感と透けていない部分は、プリント加工による陰影効果を上手く使い分けされた素材の遠近感は、絵画を見ているような印象を与えています。
夜の芒野の作品のクオリティの高さと完成度は、作者の服地に込められた思いを感じさせる作品は、感性の豊かな女性ならではの素材表現として、もはや学生の域を超えているようにも感じる作品です。
審査員 中井 迪夫
素材  C=50%, Pe=50%

  シーズ賞

MAP NETWORK
AGNES 文化服装学院  東京都渋谷区
色彩が見るものを嬉しくさせる。遠くから見ると、紫と緑の反対色の組み合わせがリズミカルに繰り返され心地よい。一方、作品に近づくとオレンジとメタリックグリーンのアクセントカラーを中心としたマルチカラー使いが楽しく踊っている。この楽しい色柄使いのルーツはきっと作者の出身国、インドネシアにあるのだろう。地図を発想源にしたということだが、作者にしかできない作品が仕上がるまでの思考、色柄遊びのプロセスをこれからも大切にして欲しい。
審査員 大関 徹
素材  Pe=100%

  シーズ賞

Fluorite
伊東 夕夏 文化服装学院  東京都渋谷区
フローライトから着想し、イメージしたものを織で表現したことが大変面白いと思いました。フローライトの様々な色やきらめきを表現するために糸自身に表情のあるものを選び、ランダムな幅の横縞を織っていくことで複雑な表情になっています。角度を変えるときらきらと光る素敵なテキスタイルに癒されます。
審査員 中口 万寿代
素材  C=60%, W=15%, R=15%, (N,P,Ac=10%)

  シーズ賞

太田 幸来 文化服装学院  東京都渋谷区
暗い海の中を泳ぐ可愛いシーラカンス?
実際に洋服やバッグ等にして、夜道を歩いていて車のヘッドライトでプリントが光り、シーラカンスや魚が泳いでいるところを想像すると楽しくなります。
又、交通安全の為にもお年寄りや子供たちのアイテムをいろいろ考えられると思います。

審査員 萩原 富雄
素材 C=100%

  シーズ賞

モテるテキスタイル
防野 真央 文化服装学院  東京都渋谷区
薄地ベルベット素材の地糸とパイル糸との加工表現差を利用したオパール加工ですが、この作品のユニークさはこのプリントパターンの面白さにあります。表面からみた円の重なりも楽しいリズムを持っていますが、裏から地糸のポリエステルにお金のモチーフがプリンとされており、表からもそれを少し見ることができます。このユーモラスな表現をエレガントなイメージを持つベルベット素材に表現した作者の感性に拍手を送りたいと思います。十分にファッションアイテムに展開可能なテキスタイルとなっています。
審査員 竹内 忠男
素材  Pe=70%, R=30%

  シーズ賞

滲む青
渡井 あかり 川島テキスタイルスクール  京都府京都市
海のような、風のような、空のようなブルー。トーンの異なるブルーを、絣と捺染の二種類の染め糸で経糸に使っています。緯糸にシルケット加工糸を使っていることも効果を高めました。糸、組織、染めのさまざまなブルーグラデーションが表情豊かなハーモニーを奏で、シンプルでありながら、眺めていて飽きない奥深い魅力を生んでいます。設計の計画性、作業の丁寧さなど、制作に取り組む姿勢の誠実さも感じられました。今後も、魅力的なテキスタイルクリエーションを続けていかれますよう応援しております。
審査員 小森 美穂子
素材  C=100%
 作品をクリックすると拡大してご覧いただけます
【素材凡例】
An=アクリル、Ap=アルパカ、Ac=アセテート、C=コットン(綿)、Ca=カシミヤ、Li=リネン(麻)、Mo=モヘア、
N=ナイロン、Pe=ポリエステル、Pu=ポリウレタン、R=レーヨン、Si=シルク(絹)、W=ウール(毛)

(敬称略)

  ジャパン・テキスタイル・コンテスト2015

主な受賞者

  グランプリ(経済産業大臣賞)

NIAGARA

水谷 常夫 みづほ興業(株)  愛知県一宮市
遠い昔の感動をいつか表現したいと、心にしまっておいたという思い出からスタートしたそうです。どのような素材を作り上げるのか、最初にきちんと着地点を想定できる実力とキャリアがあればこその完成度ですね。
黒のベースにシルバーグレーのモヘアシャギーのボーダーだけでもいいバランスですが、毛足の部分にだけ特殊コーティングし、適度な膨らみを持たせた結果、とても魅力的で不思議な立体感が出ました。織と加工の相乗効果が出て、大胆さと繊細さを併せ持つプロの仕事、アイデアとそれを支えるだけの技術力、開発力、まさにベテランの匠の技ですね。
審査員長 車 純子
素材  W=60%, Mo=30%, N=10%

  準グランプリ(中小企業庁長官賞)

アラン起毛

岩田 考司 岩田健毛織(株)  岐阜県羽島市
ニットと織物の差が無くなりつつある中、ジャカード織でアラン模様を表現し、さらに起毛することで柄を強調、ニットの軽さと毛織物のグレード感を融合させた新しい感覚のテキスタイルが上手く表現出来たと思います。
見る角度や光の当たり方によっては柄がより浮き上がり、製作者の意図がさらに分り易くなります。
作者が最終製品をイメージした様に、ニット素材と組み合わせても面白い物ができると思いますし、ワンピース・スカート以外にもコート・ジャケット等、様々なアイテムで展開する事が出来ると思います。
これからも尾州産地の伝統に裏付けされた技術の下、新しい表現の開発を期待いたします。
審査員 萩原 富雄
素材  W=98%, Pu=2%

  優秀賞

無地かな?チェックかな?



※ リバーシブル
清水 幸伸 ファインテキスタイル(株)  岐阜県羽島市
作品名「無地かな?チェックかな?」から連想される作品は、ファッショントレンドがノームコアやジェンダーレスなど男女区別なくシェアする感覚で流れる中で、古くからあるスタンダードなタータンチェック柄に新しい柄・デザインキーワードとして、黒色のウールループ素材を起毛する事により、見る角度により色や柄、表情感が変わって見える素材が生まれました。柄全体がぼんやりと見える表情は、穏やかさ、控えめな感覚など今の時代性が求める素材に仕上がり、まさに伝統と革新がうまく表現された素材に仕上がりました。
審査員 中井 迪夫
素材  Pe=37%, W=28%, R=20%, N=15%

  優秀賞

クレヨンツイード
古田 裕香 宮田毛織工業(株)  愛知県一宮市
カラフルなツイードニットです。さまざまな糸や組織が絶妙なバランス感で配置され、楽しげな雰囲気を生み出しています。幾何学柄でありながら、柄のよろけ具合やネップのバランスなどが絶妙で、手仕事のぬくもりを感じさせます。ファッションに取り入れやすい適度にカラフルな配色が巧みで、肉感や重さも適切。全体としてバランスがとれており、ガーメントにこなしやすい素材です。丸編機の最後の作品というエピソードもストーリー性を感じさせ、興味をかき立てられました。ここ数年、ファッションはベーシックな無地調が中心ですが、色柄の魅力を再認識させてくれる素敵な作品です。
審査員 小森 美穂子
素材  W=40%, C=30%, N=15%, Pe=15%

  優秀賞

窯変縞
森 益一 森技術士事務所  愛知県一宮市
この作品は企画意図に書かれているように特徴のない、言わばファッションテキスタイルからは少し距離のあるポリエステル65%ウール35%の生地が使用されている。ただそれに対して作者の持っている加工技術、それ以上に優れた感性がその表情に生かされ、非常に独創性、独自性の強い豊かな表情を持つテキスタイルに変換されていることにまず驚かされる。その技術背景には日本古来の柿渋染め、そして銅媒染技法も組み合わせ、暈し風のストライプにタイトルのように窯出しをした焼き物の表情を見せている。又生地の風合いもポリエステル高混率を感じさせない、ソフトさを持たせ、作者の持つ感性と技術が高次元で融合されている事を思わせる逸品である。
審査員 竹内 忠男
素材  Pe=65%, W=35%

  ウール賞

亀の甲
伊藤 孝雄 石慶毛織(株)  愛知県一宮市
一見するとシンプルなバイカラー配色のジャカード風組織のテキスタイルは、織り組織と糸使いを変えることにより、ジャカード風組織の新しい素材表現に出来上がっています。
その表情は、繊細な中に立体感があり見た目にもモダンアート感覚の素材で、ファッション傾向がエレガンス&フェミニン感覚に移行する中で、ショートコートやワンピース、スカートなどクラシカルエレガンスを表現するアイテムとして、オピュレント的な価値観のある素材が出来上がりました。
審査員 中井 迪夫
素材  W=100%

  ウール賞

super160 light weight 接結リバー

※ リバーシブル
岩瀬 和治 B.Tネット(虫文毛織(株))  愛知県一宮市
ウールの持つアドバンテージを見事に表現しました。
厳選された原毛・原糸が作者のテクニック・技術力と相俟って、温か味、光沢感、膨らみ、軽さ、そして優しい肌触り、とウール素材のポテンシャルと素晴らしさを再認識させて頂きました。
服装に限らずカジュアル化、イージー化が進む現代ですが、正式な場で着用するコートには最適なテキスタイルだと思います。
審査員 竹内 忠男
素材  W=99%, C=1%

  ウール賞

ワッフルリバーシブル

※ リバーシブル
木全 育睦 カワボウテキスチャード(株)  岐阜県羽島市
この作品の驚きはリバーシブル二重織りの持つ立体的な素材表情からは想像の出来ない、そして感じ取れないその軽さである。上質な原料を十分に生かすことにより、空気を含ませたような手触りの柔らかさを表現した整理仕上げが施されている。それに加えてその工夫されたデリケートな組織柄の表情がそのふくらみ感とうまくマッチしたテキスタイルとなり、ファッションのトレンドに歩調を合わせた、市場における確かな商品展開を可能とさせる力を持つ作品である。
審査員 竹内 忠男
素材  W=90%, N=10%

  ウール賞

アラシャンカシミヤジェントリー
葛谷 聰 B.Tネット(葛利毛織工業(株))  愛知県一宮市
希少な素材と織機、さらに高い技術が加わり生まれた大変に贅沢な作品です。ヘリンボーン組織のクラシックな外観とは裏腹に、触った時に想像以上の柔らかさとドレープ、光沢に圧倒されました。控えめながら、原料の上質感と時間をかけて織り上げられた魅力が遺憾なく発揮されています。美しい仕上げにも深い配慮が感じられ、作り手の確かな技術と素材への愛情を感じました。紳士向けのジャケットやアウター素材として、また婦人向けとしてもエレガントな魅力を発揮することと思います。
審査員 小森 美穂子
素材  Ca=100%

  ウール賞

トワイライトウェーブ

※ リバーシブル
西本 学 田村駒(株)  大阪府大阪市
オーセンティックで格調高いダブルフェイスです。作品名の「トワイライトウェーブ」は、上品なカラーのイメージからつけられたのでしょうか?厳選された原料からもたらされた二つの表面感は、まじめにきちんとしたものづくりの結果です。どちらを表にしても素敵です。ソフトな風合いとクオリティの高さは、メンズだけでなくレディスのコートにもしてみたいです。このテキスタイルで作られたコートをきたら、背筋がきちんと伸びて凛とした気分になりそうです。着ているだけで自信が持てそうな気がします。
審査員 中口 万寿代
素材  Ca=58%, Si=42%

  新人賞

2wayスポンジメルトン
杉山 俊 渡六毛織(株)  岐阜県羽島市
メルトンといえば、コートの定番素材として、ずっしり、かっちりしたイメージがあります。シンプルな作品名のとおり、スポンジのようにふわふわしてソフト、その上ストレッチ性も兼ね備えた、ありそうでなかったメルトンです。ファインな原料を選択し、出来上がりをイメージしたうえで設計し、縮絨の度合を考えて仕上げられた、非常にバランスのよいテキスタイルです。このふわふわのメルトンでコートやジャケットを作ったら、暖かさはもちろんのこと、いままでのメルトンにはないストレッチ性のおかげで、とても着心地がよく丸いシルエットのコートができるのではないでしょうか。定番の素材を新しい解釈で作っていく、難しいけれどもやりがいのあるこれからの仕事に期待します。
審査員 竹内 忠男
素材  W=99%, Pu=1%
 ※新人賞:35歳未満の製作者の作品が対象

学生の部

  スプラウト賞(愛知県知事賞)

鮮魚コーナー
市川 遥香 京都造形芸術大学  京都府京都市
今回の作品名は、「鮮魚コーナー」。自らのアルバイト先で見る魚をモチーフにしたリアル感のある作品は、鮮魚の持つ旬と新鮮さをうまくアート感覚に表現された作品に仕上がりました。
インパクトのあるポップアート感覚の表現は、学生の方らしい自由な発想とクリエイティブな表現方法として、見た人に感動と印象を与え、その素材からバッグやタペストリーなどライフスタイル雑貨などのアイディアが想像され、毎日が楽しく過ごせそうなイメージを与えています。
審査員 中井 迪夫
素材  C=100%

  シーズ賞

記憶
芦沢 華純 杉野服飾大学  東京都品川区
今回のオフホワイトで表現された作品は、無撚糸のボリューム感と複雑に絡みあった素材が、自然さと自由な発想を感じさせてくれるインパクトのある素材に仕上がっています。
現在のファッション傾向がナチュラル感覚のシンプルなローテクな方向にある中、今回の作品名「記憶」は、基布を人の誕生に、無撚糸は人それぞれが経験してきた事を表現。 今回のシンプル&ナチュラルなライフスタイルで表現されている作品は、見た人に一つのメッセージとして訴えかける作品に出来上がっています。
審査員 中井 迪夫
素材 W=99%, Si=1%

  シーズ賞

くら・む
鈴木 さとみ 文化服装学院  東京都渋谷区
オパール加工で表現した蝶柄やレース柄とレース柄を利用した転写プリントが素敵な ハーモニーを醸し出していると思います。転写プリントのチュール柄も本当に透けている様に見え、爽やかで軽やかな感じが涼しげな夏素材としてピッタリです。
防炎加工を施せば作者の云うようにカーテンでも良いかも。
窓辺で爽やかな風に揺れるこの作品が目に浮かびます。
審査員 萩原 富雄
素材  Pe=65%, C=35%

  シーズ賞

serenity
 
※ リバーシブル
多久和 美萌 川島テキスタイルスクール  京都府京都市
絣調に染めたシルクの縦糸と、暖かな毛足のモヘアの横糸使い。青い絣調の色彩は夏素材のような涼やかな印象ですが、手触りはふっくらとボリュームがあり暖かさがあります。
異なる雰囲気をもつ糸が交差することで、繊細な独特のハーモニーが生まれました。作者の意図の通り、控えめながらしっかりとした主張と品格のある作品になっています。手仕事の良さや作り手のセンスが感じられる美しい作品です。
審査員 小森 美穂子
素材  Si=70%, W=15%, Mo=15%

  シーズ賞

匂いたつ毛並み-冬から春へ-
  山本 郁子 東京造形大学大学院  東京都八王子市
機械ではなく、手作業で緯糸をカットし縮絨加工をする、気の遠くなるような作業を経て出来上がったやわらかな毛並み。手作業ゆえのランダムな毛並みは思わず触ってうっとりしてしまいます。
インテリアファブリックだけでなく、コートやジャケットにしても素敵なテキスタイルです。緯糸にキャラクターの違うウールや、何種類かの糸を使ったら、同じ手法で作っても表情の違うテキスタイルができることでしょう。 様々なバリエーションが期待できて楽しみです。
審査員 中口 万寿代
素材  W=100%

  シーズ賞

ポッケ
渡瀬 あゆみ 川島テキスタイルスクール  京都府京都市
なんとも愛らしい表情をもったテキスタイル表現です。この作品が衣服となって、それを嬉しげに身につけた女の子が公園を散歩しています。そして木の実、石ころ等、色んな宝ものをそのポケットにしのばせて得意げな表情をして歩いている姿が想像できそうな、そんな暖かい気持ちにさせてくれる楽しい作品でした。ぜひ衣服に仕立てあげて欲しいと思います。
審査員 竹内 忠男
素材  W=100% /W=66%, Ap=17%, N=17%
 作品をクリックすると拡大してご覧いただけます
【素材凡例】
An=アクリル、Ap=アルパカ、C=コットン(綿)、Ca=カシミヤ、Li=リネン(麻)、Mo=モヘア、
N=ナイロン、Pe=ポリエステル、Pu=ポリウレタン、R=レーヨン、Si=シルク(絹)、W=ウール(毛)

(敬称略)

  ジャパン・テキスタイル・コンテスト2014

主な受賞者

  グランプリ(経済産業大臣賞)

3Dシルクコーデュロイ

大江 康夫 (株)大江  京都府与謝郡与謝野町
この素材、決して薄いという事はなく、さりとて厚手とは言い難く 、触ると実に滑らかでしなやかで、はかなげなようでいて、でも頼りなさは無く、むしろ凛とした強さを感じます。 実に複雑な積層された風合いの神様の仕上がりです。レディスのドレスやスカートはもちろん、メンズにも活用していく想像が広がります。 
シルク100%で、京都の丹後産地からの挑戦に、さすがというか、参りました!の逸品ですね。 このようなカットや加工する加工場も少なくなっているはずですし、いい仲間をお持ちなのかと気になりますし、 その工程も興味津々で、応募カードには「工夫」としか教えていただけない要素にあふれているので、 ぜひ詳細にお聞きしたくて、わくわくしてきて、深い思いが募ります。 たぶん絹紡糸に「特殊光沢加工」とのことですが、高級感のある奥深い黒の艶が引き立ちますね。 悔しいほどずるい!本当に秀逸な作品です。
審査員長 車 純子
素材  Si=100%

  準グランプリ(中小企業庁長官賞)・新人賞

エアカシミヤ リバーシブル



※ リバーシブル
伊藤 啓介 中外国島(株)  愛知県一宮市
準グランプリ、新人賞のW受賞、おめでとうございます。
高級素材カシミヤの「可能性をもっと試したい」との作者の意図がうまく表現出来たと思います。 起毛加工・ワッシャー加工等、色々なテクニックを使いエアリーで軽く暖かく、少しカジュアルなラフ感覚でいて カシミヤのグレード感・ラグジュアリー感を損なわない生地に仕上がりました。
リバーシブルの裏面とのバランスも良く使い手、アパレルデザイナーの創作意欲を高めてくれると思います。
若い力、才能のこれからの更なる活躍を期待致します。
審査員 萩原 富雄
素材  Ca=99%, C=1%
 ※新人賞:35歳未満の最も優れた作品に付加

  優秀賞

Grand Falls
小林 雅 マーブル サイエンス&アーツ  東京都杉並区
独特の色柄がひときわ目を引き、存在感を放っています。
作品に近寄るに連れ、作品の緻密さ、繊細さ、そしてマルチカラーのマーブルパターンが見る者を魅了します。 テキスタイル全体はブルーに支配され、作品名の「大きな滝」に託した水、光、森、轟音のイメージが鮮やかな色彩で表現されています。 想定しているアイテムはワンピース、シャツということですが、リゾートシーンなどを想像してみると、とても楽しい気分にさせてくれます。
マーブルプリントの美しさに引き込まれて、この世界に進んだという作者の若いエネルギーがストレートに表現された作品です。 今後のデザインに不可欠なアーティスティックな視点が最大限に発揮されており、今後の活動におおいに期待したいと思います。
審査員 大関 徹
素材  Pe=100%

  優秀賞

砂漠
山下 祐三 (株)山﨑ビロード  福井県越前市
砂漠に吹く乾いた風の中で舞い立つ砂のような乾いた触感は“ナチュラル&リラックス”な ROW CHICのイメージを感じさせる新しいテキスタイルを連想させます。
素材には、世界無形文化遺産にも指定された“和紙”を使用され日本の伝統と職人技が 作り出すまさしくMADE IN JAPANを象徴するかのような伝統と革新的な素材に仕上がっています。 和紙という伸縮性のない綿糸100%の素材をビロードやベルベット組織で織り上げられた触感は、サラッと乾いた風合いが気持ちよく、 まさしくハイエンドのナチュラル&リラックスなどのライフスタイルを好む消費者にぴったりの素材ではないでしょうか。 また素材の特性として、吸水性、速乾性、抗菌、防臭などにも優れた機能性素材です。
世界が注目する“MADE IN JAPAN”。日本人の持つ細やかな感性とモノ作りのこだわりの文化が世界に求められています。
審査員 中井 迪夫
素材  紙=100%

  優秀賞

Teddy Camel
山本 浩太郎 オパレックス(株)  愛知県一宮市
まず驚かされるのは生地に触れた瞬間に感じられるそのふくらみ感のある柔らかさ、 そしてその肉感とは相反する軽さがこのテキスタイルを魅力あるものにしています。
高品質な原料を活かしきる組織の組み方、そしてやはり起毛、 シャーリングによる仕上げの工程、それら全てに作者の意図、工夫が見られ、作者の過去の商品開発の長い技術経験を感じさせる素材です。 これがこのテキスタイルの視覚効果と触覚効果の調和が取れた仕上がりを生み出したのでしょう。
コートアイテムとして上質な基本素材となる要素を持っていると感じさせます。
審査員 竹内 忠男
素材  Si=62%, Camel=38%

  ウール賞

ストロングウール
大場 祥平 ニッケテキスタイル(株)  愛知県一宮市
絶妙なしぼ感は、織密度、仕上げ方法を研究し吟味した結果得られたものなのでしょう。
このテキスタイルの一番の特徴は、風合いです。さわってみるとおどろくほどハードです。
ウール100%で作られているとは思えないほどのかたさとドライ感です。 洋服にして着込んでいったらどんな風合いに変化していくのか、このままずっとハードなのかそれともだんだんいい具合にコシがぬけていくのか楽しみです。 是非形にして試してみてほしいと思います。
審査員 中口 万寿代
素材  W=100%

  ウール賞

ハイブリッドフラノ
小笠原 義人 (株)ソトー  愛知県一宮市
このテキスタイルの魅力は毛織物の古典的な組織であるフラノを梳毛圧縮にて作り出した表面感の美しさ、それは一見無地に見えながらも微妙な色合いの変化を見せる工夫がされ、このテキスタイルの味わい深さとなっているところです。又それに加えて触感としての硬すぎない コンパクト感がアイテム表現されたときに、上質な仕立て上がりを想像させるテキスタイルに仕上がっています。
テキスタイル企画が原料選び、組織構成に加え、当然ながら加工仕上げが如何に重要な要素になっているかを再認識させてくれます 。紳士用のアウターアイテムに新しい表情を作り出すテキスタイルになる事が想像出来ます。
審査員 竹内 忠男
素材  W=100%

  ウール賞

Pattern in Pattern
川村 直子 川村ニット(株)  岐阜県安八郡安八町
一見するとソフトで柔らかくて暖かそうなネップヤーン使いのツイードに見えます。
少し近づいてみるとチェックのような柄が見えます。もっと近づいてみると織物だと思っていたのはジャージーだということに驚かされます。 無地柄っぽいツイードだと思っていたのは、緻密に計算されたジャカードで作られた柄でした。
縮絨も適度で、一時、一世を風靡したイタリアンツイードのような洗練された新しいテキスタイルです。
審査員 中口 万寿代
素材  W=100%

  ウール賞

ダブル獣毛シャギー
木村 敏光 B.Tネット  愛知県一宮市
このテキスタイルのシャーリングされたその表情の美しさ、 それはその構成をボーダー表現にすることにより変化を持たせ、繊細な立体感を表現しているところから来ています。
そして凹凸の影となる凹の部分にシャンブレー使いの少し色合いの異なる工夫が見え、 上品な光沢感と原料の上質感に見合った表情を作り出しているところです。 また加えて触感のしなやかなソフトさと軽量感もこの素材をより魅力的にしています。
具体的にアウターアイテムに展開したときに、これらの特徴は大きな市場性を持つことが予測され、 このテキスタイルの魅力がより引き出されることになると考えます。
審査員 竹内 忠男
素材  Ap=39%, Ag=35%, W=15%, ビスコース=11%

  ウール賞

王家至宝のメリノ
日置 晃 (有)アック  岐阜県羽島市
企画意図とおりの究極のスーパーファインメリノです。
上品な光沢、頬ずりしたくなるほど柔らかい風合い、フラノ調の織物ではありえない軽さ、 メリノウールの特長を生かしつくしたテキスタイルです。 もしかなうならエレガントなパステルカラーを是非みてみたいと思います。
原料が白いメリノウールにしか出せないようなまるで貴婦人のようなメリノウールになることでしょう。
審査員 中口 万寿代
素材  W=100%

学生の部

  スプラウト賞(愛知県知事賞)

群集と個人 -Outline of the personality-
植木 啓人 杉野服飾大学  神奈川県川崎市
グレーのグラデーションカラーを使用し“ワントーンコーディネート”でまとめられた作品は、 シックさとモダンな感覚の一見シンプルなテキスタイルだが、 近づいて見ると大小さまざまに裁断された布がグレーのメランジツイードの基布にニードルパンチという手法で一枚一枚の布を丁寧に接着された素材。 その素材は、じっくり時間と手間かけて作り上げられたクオリティの高いテキスタイルに仕上がっています。
企画意図である“群集と個人”をテキスタイルに求めたすばらしい作品のクオリティの高さと完成度は、 単純な服地に込められた作者の思いを感じることができ、もはや学生の域を超えているようにも感じる作品です。
審査員 中井 迪夫
素材  W=100%

  シーズ賞

故きを訪ねて・・・
片見 つかさ 文化服装学院  東京都渋谷区
味のある美しい作品です。
作品名の意図をどのように具体化するかについて、 とても良く工夫されています。古びたレンガの壁をモチーフにし、ジャカード、デジタルプリント、 ミシンステッチを使用するという、かなり凝ったプロセスを経ていますが、 それぞれの要素がうまく融合し、まとまりのある作品に仕上がっています。
審査員 大関 徹
素材  Pe=100%

  シーズ賞

impression
佐藤 心 文化服装学院  東京都渋谷区
冬の朝日を浴びた木々の自然な風景をハイテク技術であるデジタル処理された画像をプリント加工し、 木々の陰影と朝の光と影は、 何色ものスパンコールで刺繍が施され幻想的でロマンテックな世界を作りだした素材は、 ワンパネルを上手く利用したワンピースやコートなどのアイテムに最適です。
審査員 中井 迪夫
素材  Pe=100%

  シーズ賞

重なりの格子
陳 韋慈 文化服装学院  東京都渋谷区
捺染の送りを無視した作品。二度と同じプリントが出来ないオリジナルワンの、不思議な面白い出来上がりです。
今回のモノトーンの世界も素敵でしたが、マルチカラーにしても新しい世界が広がると思います。
審査員 萩原 富雄
素材  C=100%

  シーズ賞

鎌倉日記
  

 

 

 
堀田 紗里 文化服装学院  東京都渋谷区
かわいい、きれい、楽しい、そして発想がとても新鮮。凝りにこった作品ですね。
心から楽しみながらデザインを起こしたのではないかと想像しました。 暖簾か?と思ったら手ぬぐいだという。なるほど、光を背景に透かして見るということですね。 窓辺に干すときに楽しむ手ぬぐいがあってもいいなと思いました。
水着のイラストに合わせ、オパール加工でレイヤーさせた四季折々のイラストも秀逸です。
審査員 萩原 富雄
素材  ろうけつ染めの布:C=100%, オパール加工用:P, 下地使用

  シーズ賞

彩、実る
山下 眞実 名古屋芸術大学  愛知県北名古屋市
キルト素材の切れ目から、きれいな色が目に飛びこんで来ました。
学生らしい楽しい作品です。 羊毛を自在に混色し、紡いでいるときは、仕上りイメージを考えながら大変な作業でありながらも楽しい時間だったと思います。
審査員 萩原 富雄
素材  表:C=100%, 中:Pe=100%, ニードル:W=100%
【素材凡例】
Ag=アンゴラ、Ap=アルパカ、C=コットン(綿)、Ca=カシミヤ、Cu=キュプラ、Li=リネン(麻)、Mo=モヘア、
N=ナイロン、Pe=ポリエステル、Pu=ポリウレタン、R=レーヨン、Si=シルク(絹)、W=ウール(毛)

(敬称略)

  ジャパン・テキスタイル・コンテスト2013

主な受賞者

  グランプリ(経済産業大臣賞)

リバーシブル モヘアミックス




※ リバーシブル
五藤 貴誠 B.Tネット  愛知県一宮市
見た目には十分なボリューム感を感じられつつ、実は大変軽量でソフトであること、一見して単純な無地ではない、ビジュアル性が高いことなど、来シーズンに注目される素材傾向を、見事にいくつも捉えています。 
特にジャパンブルーとも言える美しいコバルトブルーと、黒とのカラーリングは絶妙で、表の黒糸の狭間に見え隠れする、ブルーのバランスも大変美しい素材です。ビジネスとして考えても、最も人気の高い配色が出来上がっていると思います。まさに今年ならではの、グランプリ受賞となりました。
軽さを出すためには、モヘアループの二重織を、あえてループカットしたり、裏面をシャギーで仕上げるなど、贅沢な挑戦をしています。
いろいろと試行錯誤した時間も、素敵な経験になっているかもしれません。
作者の年齢は30代半ば、今後大いに期待できることも、グランプリ受賞の背中を押しています。

審査員長 車 純子
素材  W=52%, Mo=30%, N=18%

  準グランプリ(中小企業庁長官賞)

コンフォートライトドレープフラノ
時田 久嗣 時田毛織(株)  愛知県一宮市
ウールの王道を追及した作品に仕上がったと思います。作者の意図した、気持ち良さ、着心地、軽さ、上質感、ウールらしさが表現できました。
この様な風合いに仕上げるには、原毛の吟味から紡績、製織、染色整理の各段階で細心の注意深さ、高度な技術力の裏付けが無ければならないと思います。
又、一見無地に見えながら、多色使いで色に奥行きを持たせるこだわりに、モノ作りに対する作者の真摯な姿勢を感じました。
モノ作りの衰退が言われる最近の日本ですが、産地にはまだまだ高度な技術と熱い思いが残っています。日本の製造業の復活の為、MADE IN JAPAN再生の為、今後とも頑張って頂きたいと思います。

審査員 萩原 富雄
素材  W=100%

  優秀賞

カシミヤクラッシュ
稲垣 久 渡六毛織(株)  岐阜県羽島市
出展作品の素材名であるカシミヤクラッシュの名のとおり、高級獣毛素材という価値感にクラッシュというカジュアル要素を取り入れ、互いの相反する要素を一枚の生地に表現された新しい価値観を与える素材だと思います。
高級獣毛素材であるカシミヤ本来のデリケートな質感と光沢加工を施した素材の表面からキャッチワッシャー加工を施された素材は、今までに見たことのない新しい表情を表現した素材に仕上がっています。
その素材から感じられるのは、現代の成熟化した日本のマーケットに新たしい価値観を与えるラグジュアリー感覚の素材です。今までのオーセンテックな素材だけでは満足されない新しい女性像に向けて作者の意図である「高級素材もカジュアルに着てほしい」という意味合いを感じさせる新しい提案は、今後の日本のファッションに服本来の楽しみや夢を与えてくれる素材だと思います。
審査員 中井 迪夫
素材  Ca=100%
ふくらみツイード
日置 晃 (有)アック  岐阜県羽島市
見た目も、手触りも、いかにもウールそのもの。そして、ハンドメイドタッチ、バルキー、肉厚など、来秋冬季に注目されている素材トレンドをすべて取り込むという作品の企画意図が完璧に表現されています。消費者の目から見れば、使われている素材の氏素性はわからなくても、素材を触った瞬間に感じるタッチ、ぬくもり感と、その温度感にツイードのミックスカラーがよくマッチし、作者の意図と素材の上質感が直感的に理解できる作品です。企画意図を表現するための素材選択、組織使い、表現のすべてにわたり、まさに匠の仕事です。
審査員 大関 徹
素材  W=95%, C=5%
Gorgeous
森 益一 森技術士事務所  愛知県一宮市
カシミヤ混ウール地と言う一般的に高級生地と考えられている素材を下地に使用し、それに対して加工難易度の高い面積のある抜染技法を施し、大胆な色彩表現をしたこの作品。表面に撥水性をもつウールのためにかすれた色彩の見え方となっているところにこの作品の妙味と斬新さがあるといえます。
この「かすれ」は偶然性から惹き起こされる表現であり、その美しさと面白さを作者は十二分に今までの経験から計算に入れ、制作した意図が垣間見られる点に感動を覚えます。
審査員 竹内 忠男
素材  W=75%, Ca=20%, N=5%

  尾州賞・新人賞   

Fake Leather -mat-
森田 惇也 ニッケ  愛知県一宮市
皮革のような硬さとしなやかさが新鮮な驚きを与える作品。トップグレーの無機的な外観とあいまって、ウールらしくない素材感が大変興味深いです。ペーパーライクともいえるハリや硬さがある一方でツヤや温かみもあり、相反する要素が共存している点が、デザイナーの創造力を刺激する素材です。立体シルエットのハリのあるアウターやカットアウトディテールがぴったりはまりそうです。樹脂を一切使わずこの風合いという事も高く評価します。
審査員 小森 美穂子
素材  W=100%
 ※新人賞:35歳未満の最も優れた作品に付加

  尾州賞

アンティークシャギー
岩田 真幸 岩田健毛織(株)  岐阜県羽島市
ファンシーツイードに特殊シャギーを施した作品。糸の形状と色彩、毛足の長短など様々な表情感が複雑なハーモニーを奏でています。安定した人気のファンシーツイードに注目の毛足強調を取り入れることでほどよい奥行きが生まれ、好感のもてる仕上りになりました。シルバー系ラメ糸はダークな基調の色彩に軽快なアクセントとなっています。
外観のボリューム感とは裏腹に軽量な仕上がりも市場性が高いと思います。
審査員 小森 美穂子
素材  W=53%, Pe=15%, N=14%, Ace=9%, Md=6%, その他=3%
TEXTILE OF CUTASEOUS SENSATION
日置 晃 (有)アック  岐阜県羽島市
しっとりと軟らかく肌にふれるその心地よい触感は作者が意図するように、羊毛100%でありながら、カシミヤを感じさせる風合いを持っています。
何気ない表情の素材でありながら、またそうであるがゆえに原材料の糸にこだわり、その特性を生かしながら、より魅力ある商品に仕上げる加工技術の高さ、確かさに、尾州産地の持つ匠の技を感じさせます。一見無表情でありながら、触るとその生地の味わいが伝わる。
おそらく衣服に仕立て上げ、着装した時によりこの生地の魅力を再認識できるのではないでしょうか。
審査員 竹内 忠男
素材  W=100%

  ウール賞

アルパカシャギーHC
杉山 俊 渡六毛織(株)  岐阜県羽島市
最近トレンドの箔加工。プレーンな生地に箔加工をしたものは見かけますが、アルパカシャギーに箔加工を施すという大胆な発想がすばらしいです。
ベージュの基布にコパーの箔というカラーバランスも素敵です。
毛羽の上だけにのった箔と箔ののっていないところができることで光が乱反射し、なんともいえないゴージャス感を表現しています。
審査員 中口 万寿代
素材  W=53%, Ap=47%
アルマーダ
篁 俊次 B.Tネット  愛知県一宮市
無地ではなくガーゼ調の大胆なタータンチェックに特殊加工をすることで、プレーンなチェックが一気に表情豊かなテキスタイルに変わりました。
チェックの大きさとアニマル柄の大きさのバランスからもたらされたナチュラルな凹凸感。透け感のあるところと少し縮絨したようになった部分の対比によってもたらされる表面感。チェックとプリントの柄の組み合わせを変えていったら、どんな楽しいテキスタイルが生まれるのか、イメージがどんどん膨らむ作品です。
審査員 中口 万寿代
素材  W=100%
レジェンドサキソニー
渡辺 雅康 時田毛織(株)  愛知県一宮市
糸、生機、整理、仕上げ、すべてにエイジングするという、今となっては贅沢な時間の使い方をすることによって、ウールはリラックスし、ウール本来の持つ特性を最大限に引き出しています。
ワインを熟成させるように、糸の声、生地の声を聞きながらテキスタイルを作っていく、現代ではできそうでできないことに挑戦されました。結果的にもたらされた艶と風合いは、効率を追い求めるだけが重要ではないことを教えてくれます。これからのものづくりのあり方を問う作品です。
審査員 中口 万寿代
素材  W=100%

学生の部

  スプラウト賞(愛知県知事賞)

layered flower
佐藤 心 文化服装学院  東京都渋谷区
作者の企画意図である「パンジー」に対する思いを強く感じる女性らしいデリケートさを表現した作品です。特に「水に浮かぶ花は喜びやはかなさ、水の影に映る花は苦悩や悲しみといった愛の二面性の表現」といった作者の心の表現方法が、不織布にデジタルプリントされた色の表現は、赤味から紫味さらに青味と微妙に変わる色合いを持たせた不織布が花の形に一枚一枚切られ、繊細に素材の風合いを壊さずにボンディングされています。その花柄のモチーフは、デリケートなシルクオーガンジーと更にプリーツ加工で折りこまれたチュールの上にも施され素材を重ね合わせることにより、素材の奥行きと繊細な水の流れを表現した素材に仕上がっています。
作者の思いが“布”というものを通じて表現されたことに感動と美を感じさせられるすばらしい作品です。

審査員 中井 迪夫
素材  Si, Pe, N

  シーズ賞

氷溶
何 琳 文化服装学院  東京都渋谷区
大胆なモチーフで構成されたプリントの図案と色合いに魅せられた爽やかで軽やかな作品に仕上がっています。
その作品に対する企画意図のテーマは「地球環境」。その中でも地球温暖化をテーマにしたテキスタイルは、南極の氷が解ける表現としてのオパール加工と温暖化の赤、暑さで溶ける水を青といった思いがストレートに表現された作品です。世界的な環境問題を一つのテーマとして繋ぎ合わせた今回の作品は、ファッションを通じて新しい形でのアプローチを試みた斬新なアイディアと完成度がマッチしたすばらしい作品に仕上がっていました。
現代社会を生きる人々にメッセージとして心に残るものとして評価させていただきました。
審査員 中井 迪夫
素材  
ひひなあそび
堺 美樹 京都市立芸術大学  京都府京都市
縮絨ウールの暖かく優しい手触り、穴あきの遊び心、さまざまな要素を織り込んだ凝った素材の重ねによる楽しい紅白デザインなど、無条件でハッピーになる作品です。「ひひなあそび」という、ひな祭りにちなんだテーマと企画意図が、色使い、素材作りと加工、オリジナルリボンの可愛い色合いで良く表現されています。
審査員 大関 徹
素材  W=100%
きおくの布
服部 なつの 文化服装学院  東京都渋谷区
たくさんの思い出が詰まっている作品です。幅広リボン状にカットしたデジタルプリント生地を平織りにし、その一コマ一コマにプリントされた「記憶」が見る人に迫り、作者の大切にしている心が印象的に表現されています。きおくの布の、その「記憶」を塗りつぶしたデザインも単調を廃し、作者のセンスが光る作品です。
審査員 大関 徹
素材  Pe=100%
煙霧
鑓田 彩 成安造形大学  大阪府枚方市
お疲れ様でした。先染めのレーヨン糸を経糸に5mmにカットされた塩ビのフィルムを
緯糸にした作品。経に並べた糸にどの様な方法で塩ビのフィルムを打ち込んでいったのか興味があります。どの様な方法にせよ塩ビフィルムは重いので大変な労力だったと思います。少し離れた所から見ると作品名の「煙霧」が良くわかります。
タペストリーなどにしても素敵でしょう。
審査員 萩原 富雄
素材  R, 塩化ビニールシート
Sunrise in Somewhere
李 金樺 文化ファッション大学院大学  東京都新宿区
私の住いからスカイツリーが見えます。冬の季節は6時半頃スカイツリーをシルエットに空を赤く染め、そして徐々にオレンジ色になりながらビルのスカイラインから太陽が昇ってきます。
フォールガーメントの基布にナイロンモノフィラメントを朝霧に見立てた作品。ボレロやTブラなど面白いアイテムが出来そうです。
これから天気の良い朝は東の空を見ながらこの作品を思い出すでしょう
審査員 萩原 富雄
素材  N=100%/ Pu=8%, N=92%
【素材凡例】
Ace=アセテート、Ag=アンゴラ、An=アクリル、Ap=アルパカ、C=コットン(綿)、Ca=カシミア、Cu=キュプラ、
Li=リネン(麻)、Md=モダール、Mo=モヘア、N= ナイロン、Pe=ポリエステル、Pu=ポリウレタン、R=レーヨン、
RA=ラミー、Si=シルク(絹)、W=ウール(毛)

(敬称略)

  ジャパン・テキスタイル・コンテスト2012

主な受賞者

グランプリ(経済産業大臣賞)

スーリーウェーブ
稲垣 久 渡六毛織(株)  岐阜県羽島市
なんと優しく美しく、軽量で滑らかな手触り!が最初の印象です。触れると、実は大変薄く仕上げていながらしっかりと暖かく、まさに企画の意図する「軽くて、肉薄のコート地」をきちんと達成できた、見事な力作です。何が求められているか、何を創るべきか、時代の風を読みつつ、正確に着地点を定めてから、材料の吟味、そしてそれを駆使して生かす、様々な技術の目配りがあり、その結果として目標にぴたりと着地できています。この尾州の現場でこつこつと蓄積してきた知識や、少しずつ学んできた技術が、総合力となって今、花開く様子が伝わります。スーリーアルパカを選んだときから、頭の中で目標とする風合いがきちんと確立していて、仕上げの最後までぶれることなく進行した過程を想像するに、今後も大いに楽しみな若き匠がまた一人育っていると感じました。
高級感あふれるコートはもちろん、ドレスやスカート、様々なアイテムに広がる予感がします。一見すると寡黙な素材ではありますが、堂々と品格のある雰囲気をかもし出し、本年度の最高峰を取るべき作品だと思います。
審査員長 車 純子
素材  Ap(スーリーアルパカ)=54% W=46%

準グランプリ(中小企業庁長官賞)

ファー風フェザーテックス
苗代 次郎 (株)美希刺繍工芸  広島県福山市
今まで七面鳥と身近でお付き合いした経験はありませんでしたが、彼らの羽根がこの様なゴージャスなテキスタイルになるとは。
作者の言う様に一見するとファーと見間違えてしまいます。
基布をニットやシフォン、場合によってはデニム等に変える事でフォーマルにもカジュアルにも色々な表現が出来ると思います。
さらにはストール、ケープ、そして付属使いや雑貨など、様々な用途が広がるのではないでしょうか。
クリスマスシーズンには材料の羽根の手当てにも事欠かないのでは。
審査員 萩原 富雄
素材  (上地)フェザー=100% (下地)W=100%

優秀賞

麻スエードブラックウォッチ
五藤 貴誠 B.Tネット  愛知県一宮市
この作品の素材表記を確認して、思わず間違いではないかと言いたくなるほどその風合い、表情はウールの感触でした。裏にはかなり上質な麻の光沢感が確認され、これを表としても十分に商品として通用します。上質な麻を撚り合わせ、この尾州産地特有のソフトな起毛加工にシャーリング、ここに産地の仕上げ加工技術が生かされ、麻素材が別の表情に生まれ変わったと言えます。そして柄構図を毛織物基本柄であるタータンにて表現したことにも作者のスマートな工夫が見られ、心憎い期待を裏切る表情を持った作品でした。

審査員 竹内 忠男
素材  Li=100%
first-X
酒向 克昌 (株)ソトー  愛知県一宮市
完璧なまでの仕上がり感。まさに細番手梳毛ウールの究極までの風合いを追求されたテキスタイルは、じっくりとした縮絨と繊細に押さえ込まれた表面の優雅な光沢感、またウール100%にもかかわらず、程よくストレッチ性をもたせ、機能性は、メイド・イン・尾州の名にふさわしい絶品の素材です。
審査員 中井 迪夫
素材  W=100%
シャガール シャギー ニット
古田 裕香 宮田毛織工業(株)  愛知県一宮市
シャガールの絵画をインスピレーションに、ニットのジャカードで表現した作品です。企画意図にある部分的なシャギー感と、「軽く・薄く・まとう」というイメージが、素材の風合いと共に視覚的に美しく表現されています。控えめなニュートラルブラック系の色合いに抑えつつ、エレガントな輝きを添えるラメとのバランスも絶妙。審査会場の、ほんのわずかな風にも舞うような優雅な動きの中に、控えめなパターンが表情を変え、審査員の目を楽しませてくれました。作者の美的センスを強く感じさせる作品に仕上がっています。
審査員 大関 徹
素材  Pe=42% N=42% M=13% W=3%

新人賞

Two faces
上田 善則 (株)丸萬  兵庫県西脇市
表そして裏に表情の一見規則性を感じさせない異なるジャカード組織を織り込み、素材に二面性を持たせる作者の企画意図が巧みに表現されています。この作品の面白さはそれに加えて、表組織において一部の糸を浮かせる織り工夫を見せ、敢えて表情のバランスを崩す遊び感覚でユニークな味わいを作り出し、作者の言う表現の自由さを感じられる事です。どちらを表にしてもイメージの異なるアイテム展開を可能とさせる豊かな感性を感じさせる作品です。
審査員 竹内 忠男
素材  C=40% Si=30% W=30%

ウール賞

ハンドカットチェック

 

※ リバーシブル
伊佐 雅人
上垣内 佳子
中川 勝元
水谷 光孝
愛知県一宮市
プレーンな梳毛糸を使って、裏表まるで表情の違うテキスタイルを作る。そしてシャギーに見えるのは、紡毛糸ではなく、丹念に手作業でカットした梳毛糸。
ワッシャー加工したことで生まれた新鮮な表情と、裏側に出てくるチェックのグリーンとネイビーの微妙なミックス感が深みを増しています。このテキスタイルで一枚仕立てのジャケットを作ったら、裏側や折り返しにチェックが出てきて…スタイリングを想像するだけで楽しくなってくるテキスタイルです。
審査員 中口 万寿代
素材  W=100%
レトロフューチャー・フラノ
日置 晃 (有)アック  岐阜県羽島市
原料選定から仕上げまで終始一貫「コダワリ」ぬいたからこそできたテキスタイルなのでしょう。染めてしまうのにわざわざ霜降糸を使ったり、すべての過程で頑固なまでに吟味を重ねて作り上げられたからこそ生まれた、とんでもなく軽くて暖かくて気持ちのいい手触り。触っているとなんだかとても懐かしい気になります。ヴィンテージワインのように長い間熟成したら、こんな風合いになるのかもしれません。新しいヴィンテージフラノの誕生といっても過言ではないでしょう。
審査員 中口 万寿代
素材  W=90% Ca=10%
golden cloth
森 益一 森技術士事務所  愛知県一宮市
触っただけではウール100%と思えない、まるでシルクか麻のような風合いと光沢、ハリのある手触りに驚かされます。
絞り加工によって作り出された大胆な透け感のある部分とマットな部分との対比、香辛料にも使われる天然染料の丁子を染料に使って染め出されたとても上品なゴールド、その上、耐光堅牢度にも優れているとは、本当に脱帽です。このテキスタイルをふわりと纏ったらどんな風が吹いてくるのでしょうか。
審査員 中口 万寿代
素材  W=100%

尾州賞

MELT MELTON
岩田 真吾 三星毛糸(株)  岐阜県羽島市
この作品は裏面フラットな綿表情と表ウールの膨らみ感で重厚感があり、それだけで十分に味わいのある作品です。加えて評価をしたいところは、大胆な柄構図のウールオパールを施すことにより、視覚的な面白さをプラスさせているその工夫です。
審査員 竹内 忠男
素材  W=49% C=33% Pe=13% Ca=5%
もんぺ柄のボーダー
清水 わかな 中伝毛織(株)  愛知県一宮市
さまざまな組織風柄を集め、ボーダードビーにした作品。作者は和を意識したとのことですが、北欧モダンクラフトのような洗練された温かみを感じます。ナチュラルカラーとブルーの配色も良く、軽さも好感が持てます。ほっとするような穏やかさとモダンさが共存するテキスタイルです。
審査員 小森 美穂子
素材  W=100%
朝霧の中に
平野 茂樹 B.Tネット  愛知県一宮市
繊細な柄をソフトに起毛した作品。様々なアイテムに展開しやすい薄さ・軽さに仕上がっています。色柄の組み合わせ、起毛加工と適度な凹凸感など、意匠・規格・仕上げの選択が的確で高級感を生み出しています。非常にこなれた、市場性の高い作品です。
審査員 小森 美穂子
素材  Pe=41% W=36% N=18% Ca=4% Pu=1%

学生の部

スプラウト賞(愛知県知事賞)

Blind
遠藤 毅 文化服装学院  東京都中野区
何枚ものサテンリボンを根気よく丁寧に縫い合わせたベースの生地は、ブラインド効果を狙った浮き沈みのある立体的な表現。その上からミニマルモダン感覚のロングピッチのグラデーションのプリントは、テキスタイル全体をタペストリーのように使用されており、素材とプリントのマッチング効果が一段と美しさと強さを与えてくれる、まさにテキスタイルの新しい方向性を感じさせてくれる作品です。
審査員 中井 迪夫
素材  Pe=100%

シーズ賞

超ひも理論「Super String Theory」
金子 真也 文化服装学院  神奈川県川崎市
おそらく作者は物理・化学の造詣が深いのでしょう。作品のインスピレーションが秀逸。テーマの「超ひも理論」をデザインに適用し、物理・化学的要素を用いながら、平面的テキスタイルを、この理論の持つ多元的な内容に転換することに成功しています。
審査員 大関 徹
素材  Pe=100%
巣のぬくもり
原田 香奈 文化服装学院  千葉県木更津市
素材の持つ温かみの新しい感覚で手作り感を表現したテキスタイルに心惹かれました。作者の作品テーマにある「巣のぬくもり」は、ITなど近代の工業化と正反対のハンドクラフト的な要素と洗練された感覚です。
ベルベット素材をオパール加工後の染色と繊細なモチーフを発泡プリントした上に、ぬくもり感のある多色のわたをニードルパンチで刺繍するなど、さまざまな技法を取り入れた作者の心優しさを感じさせてくれる作品は、まさに新しいクール・ジャパンを予感するテキスタイルです。
審査員 中井 迪夫
素材  (グラウンド)Pe (毛羽)C
PARADE
藤原 かえで 東京造形大学大学院  東京都町田市
作者の出身地の伝統を守りたいという強い思いがこめられた作品です。その思いが、明るく、楽しく、可愛らしく表現されています。リズミカルな色だけでなく、凹凸のある優しい起毛タッチも嬉しい作品です。
審査員 大関 徹
素材  C=100%
「Tinted Texture」色彩に染まる質感
裵 恵園 文化ファッション大学院大学  東京都渋谷区
無機的な色、柄とニットの持つ柔らかさ、暖かさが微妙なハーモニーを表現しています。4者混の糸、それぞれの特徴を生かした立体感や風合い表現はなかなか素晴しいと思いました。
審査員 萩原 富雄
素材  N=38% Pe=27% Ac=25% Pu=10%
DIFFERENT CLOUD
ホムセヤン
スパットラー
文化服装学院  東京都渋谷区
オパールやプリント等のテクニック、様々な織技術を駆使して雲を表現。
特にオパールで縦糸残しをした雲は本当に雨が降っているようです。
作者はタペストリーを意図した様ですが色々なテクニックを駆使して服地にも挑戦して貰いたいと思います。
審査員 萩原 富雄
素材  C=55% Pe=45%

  ジャパン・テキスタイル・コンテスト2011

主な受賞者

グランプリ(経済産業大臣賞)

ネオヴィンテージ ニット ジャケット
林 祐司 
田島 貴子 
野々垣 嘉久
 
ニット素材と知るまでは、誰もが一見してきれいな梳毛の織物、ウィンドペンだと思ってしまうほどに、実に良くできたニット素材です。素晴らしい、審査員一堂、感激しました。このところますますそのシェアを広げるニットの存在ですが、ここまでくれば織物を超えてしまうほど。ニットの性質上、ソフトでナチュラルなストレッチ感があり、優しい滑らかな手触り、何よりも高級素材を感じさせる、上品な光沢。ウール100%なのにまるでカシミアの艶やかさを生み出しています。また、細番手を使用しながら、ほとんど無撚使いのダブルジャージーの絶妙な肉感と、特殊加工で少し引き締まった風合。ニット素材にありがちな不安定さもありませんので、メンズやジャケット、ドレスなど、どんなアイテムにも展開できる可能性を持っています。今すぐにも、ビジネスラインに乗るはずの完成度は、文句無くグランプリに輝くべき素材でしょう。そして何年にも渡って使われていくはずと、と確信します。
審査員長 車 純子 
素材  W100%

準グランプリ(中小企業庁長官賞)

バイアス チェック
清水 幸伸 ファインテキスタイル株式会社  岐阜県羽島市
このテキスタイルの前に立ったその最初の印象は、このテキスタイルはどのように作られたのかと言う素朴な不思議さでした。そして制作者の解説を見ると、その発想のユニークさに又驚きが重ねられました。シャトル織機の原理的な特徴を生かし、又ウールの縮絨と言う加工特性も利用した非常に工夫の後の見られる作品です。その制作手順、工程を確認すれば確かに可能なテキスタイルではあるが、このようなテキスタイル表現を思いつき、現実的にそれを実現されたことに感心するばかりです。又この企画意図を視覚的に伝えるため、経、緯糸にて構成される織物構成をはっきりとバイアスに見せる視点から、大胆なタータンチェックという基本的な先染めパターンを選択した作者の優れた感性を感じ取ることもできます。織機、そしてそれが構成する組織、パターンすべてに最も基本的な要素を組み合わせながらも、意外性のある完成度の高いテキスタイル表現を実現した知恵と技術の跡が見られる優れたテキスタイルです。加えてこの作品がこの賞に値するのは、実際のビジネス現場においても十分に対応可能な商品となる力を持っていることです。視覚、触覚的に奇をてらう表現ではなく、織物の基本的な構成要素を踏まえながら大胆な発想にてテキスタイルを創造する、この作品はこれからのテキスタイル生産現場、又テキスタイルを学ぶものにとっても非常に未来性を感じさせ、改めてテキスタイル作りの面白さ、楽しさを発見させる作品です。
審査員 竹内 忠男 
素材  W100%

デザイン賞

モヘアオーストリッチ
岩田 考司 岩田健毛織株式会社  岐阜県羽島市
ナッピング加工による規則的なパターンが楽しい視覚効果と触覚効果を与える作品です。オーストリッチのパターンをデザインするために ウールとモヘアのバランスと触感、光沢感の違いを計算し、周到な計画のもとにテキスタイルの設計がなされています。コートや帽子などの小物を想定しての作 品ですが、これを見て触るときに、きっとその場に居合わせた人達にもこの意外性のあるデザインは楽しい話題を提供するでしょう。色彩は落ち着いたオリーブ グリーンで、この作品のボリュームと上質な質感によくマッチしています。
審査員 大関 徹
素材  W70% Mo30%
“REAL CHECK” ~REAL JACQUARD~
上田 善則 株式会社丸萬  兵庫県西脇市
チェック柄や切れ端の糸の質感、ボタンのリアルな再現性に驚きます。コンピュータージャ カードの魅力を生かしきった作品です。生地上で生地が表現されているというトリッキーなだまし絵的表現も面白いです。さらに、軽量な仕上がりと抑制された 配色がアイテム製品化を現実的なものにしています。シリーズやバリエーションを期待したくなる作品です。
審査員 小森美穂子    
素材  C100%

テクノロジー賞

Sprite(宇宙の青)
森 益一 森技術士事務所  愛知県一宮市

柿渋と言う天然材料から想起される単純な色彩表現に収まらず、様々な技術を複層させるここまでに至る作者の長い研究の後を感じさせる作品です。
そしてこの作品の魅力はその技術、工夫の跡をさりげなくテキスタイルの表情に馴染みこませ、纏め上げているその優れた感性でしょう。
審査員 竹内 忠男

素材  Si100%
ライトウエイトハイストレッチサキソニー
杉江 昌洋 森織物合資会社  愛知県一宮市
ウールの持つ膨らみ・暖かみ・ハリ感・光沢感を生かしながら軽さ・ドレープ感のある上品でシャープな素材に仕上がった。
原毛・糸作り・製織・染色加工の各工程の技術力の高さ、そしてコミュニケーションが感じられます。
適度なストレッチも含め、アパレルとして使用する立場から最終製品がイメージしやすく使い易い素材だと思います。
審査員 萩原 富雄
素材  W76% N22% Pu2%

トレンド賞

すすきのはら
加藤 芳男 中伝毛織株式会社  愛知県一宮市
ウインターリネンは残暑が長引き長期化する秋ものシーズンにむけて、注目素材のひとつで す。この作品は、尾州では珍しい経糸リネンをからみ織りにし起毛加工で毛足を出すという、軽さとウォーム感を備えたものです。表のソフトさと裏の清涼感が 心地よいコントラストになっており、製品化のイメージがしやすいのも魅力です。リネンのもつナチュラル感が新鮮な秋冬素材の提案です。
審査員 小森 美穂子
素材  Li100%
Jewely night
三輪 恵子 神田毛織株式会社  愛知県愛西市
企画意図である「ジュエ リーのようにきらめく夜空のイメージ」を素直に感じさせてくれる作品!横糸に使用されている扁平ナイロンとスパンコールが見る人の角度によりいろんな表情 をかもし出してくれる上品な素材は、生染め生糸と精錬糸をベースに、三重組織での凹凸感を表現しながら、シルク素材と組織とが織り成す絡み合いでは、程よ い張りと軽さのある洗練された上品な素材に仕上がっています。シルクという天然素材とナイロンやスパンコールといった人工的な光沢感が、これからのテキス タイルを変革できる新しいトレンドの方向です。
審査員 中井 迪夫
素材  Si52% Pe30% W14% N3% Pu1%

ウール賞

光る南極の花
五藤 和夫 五大株式会社  愛知県一宮市
「光る南極の花」というタイトルが素敵な作品。アザラシの茶褐色の毛を使ったことによる色彩効果と光沢感と保温性。アザラシの毛によってもたらされたユニークな表情が特徴の作品。真っ白な氷の世界で着てみたいテキスタイルです。
素材  W70% アザラシ25% N5%
コォギコート
羽根田 謙 三星毛糸株式会社  岐阜県羽島市
糸の形状がフェルトの表面にデザインとして現れ、自由な形に変化する糸の形状を残している。ウールラップ、糸ともに同素材、アルパカ70%ウール30%でやわらかく上質なフェルトを狙ったもの。
素材  W63% OJO32% N5%
ポコポコツイード
柴田 利正 渡六毛織株式会社  岐阜県羽島市
ポコポコツイードという可愛らしいネーミング。出来上がりを想定して作られたリリアンヤーンと組織の相乗効果によってもたらされる凹凸感と重厚感。カジュアルというよりシックなコートも素敵なのでは?とスタイリングの想像力を広げさせてくれる作品である。
素材  W70% N30%
上海の黒い飼い猫
清水 わかな 中伝毛織株式会社  愛知県一宮市
尾州の王道を行く生地作りという企画意図の通り、ゆっくりと熟成されたようなタッチと光沢が特徴の作品。ラムウールだけで作っているの に、まるでカシミアを使っているような、ギラギラというより、上品で美しい光沢と心地よいタッチ。いつまでも作り続けて欲しいテキスタイルです。
素材  W100%
ライトランダムシャギーツイード
勝野 利行 岩田健毛織株式会社  岐阜県羽島市
工夫され計算された仕上げによって作られた、ふわっと軽くて暖かみのあるファンシーツイード。プレスによってうまく作られたハリ感。ファンシーヤーンとロービングヤーンの効果的な組み合わせと色彩感、仕上げによってできた上品で洗練された作品です。
素材  W60% Pe32% N5%

尾州賞

手もみワッシャー
栗田 正孝 株式会社ノームラトレーディング  愛知県一宮市
麻の持つラフな感覚を加工で暖かみを持たせたヒューマンタッチな素材です。品の良いカジュアルなガーメントがイメージできます。
素材  Li92% N8%
ラッシェル シャギー ポッサム
佐藤 栄次 三星毛糸株式会社  岐阜県羽島市
尾州産地の技術力に裏付けられた獣毛混素材。暖かそうでウォーム感がありながら軽く仕上がり、使い易いテキスタイルになっています。
素材  W60% Pe32% N5%
リバーシブルウールフエルト
茶谷 悦司
山岡 彰博
尾張繊維技術センター/橋本毛織株式会社
愛知県 一宮市
メランジ風のウール100%を使用したフェルト素材の表面に施された防縮加工は、特殊な化学処理で今まで見たことのない新しい表面変化 を生み出した素材です。ナチュラル感覚と新しいテクノロジーを感じさせるリバーシブルフェルトは、今後の新しいライフスタイルに服飾雑貨やインテリア関連 のアイテムとして、新しい尾州産地の素材開発としての可能性を感じさせてくれる作品です。
素材   W100%
スーパードレープ
西沢 智裕 中伝毛織株式会社  愛知県一宮市
キュプラの持つ独特の風合いを生かした繊細なニット素材。シンプルなスムースながらグレード感があり尾州産地の別の顔が見える。
素材  Cu100%
紺碧の結晶
酒向 克昌 株式会社ソトー
紺色細番手の梳毛糸を使用した平織り組織に特殊な縮絨をかけることにより、逆綾組織のような繊細な表情を持たせた素材。その表面にWOOLの光沢加工(カレンダー加工)を施すことにより、程よい光沢感と打ち込みの強さとが、さらっとした落ち感とマッチした上品で洗練された素材に仕上がっています。ジャケット&ボトムやワンピースアイテムに最適な素材です。
素材  W100%

学生の部

スプラウト賞(愛知県知事賞)

フェンスの先に…
金森 彩也夏 文化服装学院  神奈川県川崎市
フェンスの手前から向こう側を見ているようなビジュアルをジャカードとプリントを組み合 わせることによって、うまく表現できています。プリントで表現した風景もそのまま風景を映し出すのではなく、全体的にも部分的にもぼかすことによって、立 体感を際立たせています。メッセージを伝えるために、イメージを絞り込み、表現するためにはどうしたらよいのかを計画的に製作されたということがうかがえ ます。環境の対比ということが企画の意図であるが、人工的なフェンスとその向こう側の自然を美しくバランスよく表現しています。まるで映画のワンシーンの ようなストーリー性を感じる作品です。
審査員 中口万寿代

シーズ賞

ひそかに咲く
林 くるみ 文化服装学院  神奈川県横浜市
白生地に様々な白で柄を表現した点に女性らしいセンスを感じる。清潔感とさりげない洗練性がある。花のモチーフひとつひとつに丁寧な描写があるところも好感がもてる、爽やかな作品だ。
KINN
小林 七海子 川島テキスタイルスクール  京都府京都市
ニードル加工を中心とした手仕事の作品だが、趣味的な域にとどまることなく、自立した作品になっている。フェルトとガーゼの透け方の対比、カラーウールの有機的な配置などもバランがよい。
朝ごはんにめだまやき
岡本 らら 川島テキスタイルスクール  京都府京都市
目玉焼きという、きわめて日常的なモチーフがみごとな作品となっている。作者のモノに対する優しいまなざしが感じられ微笑ましい。服地としての実用性も高い。
send out
安達 大悟 金沢美術工芸大学  石川県金沢市
作者のねらいがリピートされたユニークな唇パターンで楽しく表現されている。スプラッシュ染めによる色変化で退屈さを避けている点も良い。
UROCO~MESSAGE~
金森 彩也夏 文化服装学院 神奈川県川崎市宮前区
ミス七夕のワンピース向けの豪華なテキスタイルとなっている。鱗パターンをさまざまなテクニックと素材を用い、奥行き感のあるきらびやかさがよく表現されている。
vidro
髙橋 佑佳 東京造形大学 神奈川県相模原市
ジャカードによるデザインが、抑えられたダークな色づかいの中に大胆かつ美しく表現されている。アート性に優れた作品である。
小林 菜々美 文化服装学院  神奈川県横浜市
朝の光をイメージした放射線、朝もやのぼかし染め風パターンがデザイン的に配置されうまく融合している。色調を抑制し、箔のアクセントも成功している。洗練された印象の新鮮な柄だ。
memory of the WALL―壁の記憶―
田多井 祥子 文化服装学院  東京都渋谷区
オーガンジーに発泡顔料をランダムに塗り付けた発想がユニークだ。裏の金銀箔の効果が表に出ていないのが惜しいが、のびのびとした創造力を評価したい。
carnival
遠藤 毅 文化服装学院  東京都渋谷区
モアレパターンの揺れ動きが意図どおりに繊細に表現され、美しい。赤から紫への繊細なカラーグラデーションが効果的に作品を引き立てている。
touch me, feel me
鍵渡 路子 武蔵野美術大学 東京都小平市
点字からインスピレーションを受けたという作品。様々なテクスチャーを白生地で表現し、コンセプトがストレートに伝わってくる。プリーツや絞りなど技法に工夫を凝らしながら、全体にはダイナミックな若さが感じられる点も評価する。
【素材凡例】
Ac:アクリル C: 綿  Ca:カシミア Li: 麻 N: ナイロン  Pe:ポリエステル Pp:ポリプロピレン 
Pu:ポリウレタン  R:レーヨン  Si: 絹  W: 羊毛

(敬称略)