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人材育成事業

尾州インパナ塾

-平成26年度尾州インパナ塾レポート-

No1.平成26年度インパナ塾スタート!

No2.インパナ塾レポート2回目!

1  <平成26年度インパナ塾スタート!>

今年は、13名の受講生で4月12日に開講式を迎えました。 現在、講義開始から、約2ヶ月が経過しました。ここで少し、インパナ塾についてご紹介したいと思います。
受講生は、それぞれ繊維産業に従事している方々。 みなさん、お仕事のお休みを利用し、週に1回受講していらっしゃいます。年齢や専門分野の違う方々が、繊維の基礎からアパレル製品になるまでを、座学や尾張繊維技術センターでの実習、また、産地内企業のご協力を得て、インターンシップも行い学びます。そして、最後にはグループを組み、オンリーワンの生地を開発するまでを約1年間を通して行います。

講師を務めるのは、企業で長年、織物を専門分野としてお仕事をされてきた先生方や、 現役で大学教授をしていらっしゃっている先生方、そして、FDCの様々な事業に関わっていただいている個性豊かな匠ネットワークのメンバーです。
それぞれの講義では、知識の伝達はもちろんのことですが、講師の方々が仕事を通して見てきたこと、感じたこと、そのような貴重な経験を、ときに失敗談などを交えながら、お話してくださいます。
4月の講義のスタートは、材料となる原料、繊維の話から始まりました。 特に、尾州の得意とする、ウール。そして、色々な性能を持った繊維の話。 一つの材料から一枚の生地が出来上がるまでに必要な様々なプロセス、日頃は分業され、切り離されているその小さなプロセスの一つ一つを、実際に生地が作られる工程の流れに沿って学んでいきます。

開講式から2ヶ月を経て、現在は、織物の組織、製織の話へと進んでいます。受講生のみなさんは、製造現場でお仕事をされている方から、営業職に就いている方、研究開発をされている方など、同じ繊維産業といっても、専門分野が様々です。そんなみなさんに講義を受けた感想を伺うと、「自分の専門分野以外のことは、おおまかなことは知っていても、細かな部分は講義を受けて初めて知って勉強になりました。仕事をしていく上でとても役に立ちます。」と話してくださいます。
       
最初は、緊張気味だった受講生のみなさんも、講義の回を重ね、また実習などを通して、和気あいあいとした雰囲気になってきました。最近では、講義や実習の中で、受講生同士が、質問をしあっている姿も見かけます。講義で学ぶことも勉強になりますが、そんな、ちょっとした雑談の中で、いろんな話ができるのも、貴重な時間であり、インパナ塾の大きな魅力になっているように感じます。
先日は、あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センターでの実習が行われました。座学で学んだことを、実際の機械を見学し、また自分の手を動かすことで、より深く理解することができます。

夏場は秋冬向けの繁忙期のため、尾州インパナ塾は少しだけお休みになりますが、今後は、染色や仕上加工の講義へと進んでいきます。そして来年2月に開催予定の総合展「THE尾州」での発表に向けて、どのような作品をみなさんが開発していくのか、とても楽しみです。

本年度参加企業 (株)AOKI、葛利毛織工業(株)、(一財)ケケン試験認証センター、
鈴憲毛織(株)、(株)ソトー、豊島(株)、中伝毛織(株)、 日本化繊(株)、日本毛織(株)
インパナ塾協力企業 (株)ソトー、大成毛織(株)、中外国島(株)、東和毛織(株)、
日本毛織(株)
      

>2  <インパナ塾レポート2回目!>

前回は、講義開始から現在までの講義の進捗状況をお送りしました。今回は、先日行われたインターンシップについてお送りします。

6月13日(金)に大成毛織(株)と、中外国島(株)にご協力いただきインターンシップを行いました。 大成毛織(株)では、まず会社の歴史をお話いただいた後に、工場見学をしました。その際に見せていただいたのは、コンピューター制御で経通しを行う機械です。受講生のみなさんは真剣にその機械に見入っていました。その後は、短冊状に切った2色の色紙を使い、どのように経糸と緯糸が組み合わさり織物が出来るのか(織物組織)をご説明いただきました。受講生のみなさんからは「実際に色紙を組み合わせる作業をすることで、仕組みが理解できた」という声が聞かれました。

また、中外国島(株)では、会社の概要をお話いただいた後、実際に工場に入って機械の前に立ち、作業をさせていただきました。コーンアップの作業では、最初、受講生のみなさんは機結びに手間取っていましたが、すぐにコツをつかみ作業をこなしていきました。また、経通し作業では、2人1組になって呼吸を合わせて綜絖に糸を通していきました。通常、機械で行う作業ですが、最後に確認して直すのは、人の手でなければできないとのこと。「根気のいる作業ですが、この作業で1本でも糸を掛け間違えると事故反になってしまうので、とても大事な作業です。」と担当者の方がお話してくださいました。

座学や実習で学んでいた内容を、実際の企業の製造現場を見学し体験出来るので、受講生の方々はとても興味津々にお話を聞いたり、作業をしたり担当者の方に質問をしたりしていました。受講生の方からは「同業他社の現場というものは通常、中々見ることができないので、興味深かったです。」という感想を聞くことができました。
最後になりましたがご協力いただきました企業のみなさま、ありがとうございました。